こんにちは。現場管理者のハマゾーです。現場のリフォームの依頼などされた時に感じるのですが、お施主様が独断でコーキングを使って補修をされたりするのですが、使用する部分に対して間違ったコーキングを選んで使われている事が自分が想像していた以上に数多く存在します。
確かにホームセンターに買いに行ったとしてもコーキングの正しい知識を持った店員さんって意外と数少ないですからね。しかもコーキングの販売エリアに必ず店員さんがいる事もないので自分で商品を手にして「なんとなくこれかな!?」って買っちゃいますよね。
数ある種類のコーキングの中から適切なコーキングを選んで、適切に使わないとコーキング本来の性能を発揮できません。性能が発揮できないだけであれば全然マシな方ですが、場合によっては取り返しのつかない失敗にも繋がっていきます。今回は、そのような失敗が無いようにコーキングの種類と使い方について簡単にご紹介したいと思います。
代表的なコーキングの種類と使い方
コーキングという大枠の中で実際の生活や施工の上で多く使用されるコーキングは、大きく分けて3種類に限られてきます。シリコンコーキング、ウレタンコーキング、変成シリコンコーキングになります。その3つの中でも特に使用されるのがシリコンコーキングと変成シリコンコーキングになります。細かく細分化すれば瓦用だとかアクリル系といったコーキングもありますが、一般的には変成シリコンコーキングで代用がほとんど可能だと思います。
シリコンコーキングの特徴
シリコンコーキングの特徴は、防水性と耐火性に優れているという点です。その代わりに動きには弱い性質を持っています。そのため日常動きが少ない浴室や洗面所、台所といった部分でシリコンコーキングが使用されます。主に室内がメインのコーキングで水回りが多いのでクリア、白、アイボリーといった薄めの色設定しかないのが特徴です。
また、水回りでの使用が多いのでシリコンコーキングのクリアや白といった色には防カビ仕様のシリコンコーキングもあります。通常のシリコンコーキングよりもちょっとだけ価格は高く、完全にカビを防ぐわけではありませんが、防カビタイプのほうがカビの発生を抑制できますので水回りでのコーキングは、防カビタイプのシリコンコーキングをおすすめします。
また、よくある失敗のひとつにシリコンコーキングが安いからといってサイディングなどの外壁の補修で使ってしまう方が数多くいらっしゃいます。シリコンコーキングのもうひとつの特徴として塗装が乗らない、色を弾くという特徴もあります。なのでサイディングなどの外壁にシリコンコーキングを使って補修してしまうと、その後の塗装工事が出来ない、無駄に塗装工事が高くなってしまうという危険性があります。
平らな面であればカッターを使ってシリコンコーキングを取り除くことは容易に出来ますが、サイディングやモルタルのように表面が凸凹している処にシリコンコーキングを使用してしまうと取り除くことは不可能に近いくらい無駄な労力を要します。このような失敗は数多く見てきているので注意してください。
*参考
コニシボンド シリコンコーク ホワイト 330ml #55778
変成シリコンコーキングの特徴
変成シリコンコーキングの特徴は、動きに強く、紫外線にも強いのが特徴です。その代わりに熱には弱いのも特徴です。そのため数多く使用されるのは住宅の外部が主になります。サイディングやモルタルなどの外壁、屋根などに数多く使用されています。サイディングなどの外壁で主に使われているので色の種類もかなりの数があります。ホームセンターで売られている色は、主だった色がラインナップされているものでコーキング職人さんが使用しているサイディング用のコーキングは何十、何百といった種類の色が設定されています。
変成シリコンコーキングは、外壁で使用されるだけあって塗装も色がしっかりと付きます。ただし、モノによっては塗装とコーキングの相性が悪くブリードする(塗装の上から黒ずんでくる)可能性はあります。上から塗装する前提のノンブリードタイプのコーキングも存在しますが、一般的には市販されていませんので万が一にこだわるのであれば工務店やハウスメーカーに一度ご相談してみてください。
変成シリコンコーキングの動きに強い本来の性能を引き出そうとするのであれば幅8~10㎜、奥行き8~10㎜くらいのコーキングサイズにしなければ本来の性能が引き出せません。当然、施工する部分にもよるのでケースバイケースですが、基本知識としては、理解しておいてください。
*参考
コニシ ボンド 変成シリコンシーラント ホワイト 333ml
ウレタンコーキングの特徴
ウレタンコーキングの特徴は、接着性に優れています。ただし紫外線に弱い、ほこりなどの汚れが付きやすいといったデメリットがあるのでコンクリートやALCといった部分で使用しますが、あくまで上から塗装をする前提で使用するコーキングになります。
コーキングメーカーによっては、ノンブリードタイプとしてウレタンコーキングが出ていますが実際の多くの場合には、変成シリコンコーキングの方が万能で扱いやすいので変成シリコンコーキングで代用する事がほとんどです。
ただし、粘着性に優れているので仕上げにウレタンコーキングが見えない状態になるのであれば、接着剤がわりとして割れたり取れたりしたモノを接着させるのは個人的にはアリかなと思っています。
*参考
コニシ コニシ ボンドウレタンコーク 320ml アイボリ BUC-320 I(アイボリー) (#56088)
まとめ
おそらく、皆さんがコーキングを使用される場面のほとんどが住宅に関する部分だと思います。一般的な木造の住宅であれば変成シリコンコーキングとシリコンコーキングを間違えずに選べばよほどの事が無い限り失敗はしないと思います。コーキングの特徴、性能をしっかりと理解した上で適正なコーキングを選んで使用してくださいね。
コーキングガンの使い方を知りたい方は、意外とカンタン!コーキングガンの使い方のコツをご紹介!!を参照ください。
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