「売るだけの金物屋」から「相談される金物屋」へ

金物店のカウンターで工具や資材について相談する店主とお客様 経営・会社づくり

金物店の仕事は、工具や資材を仕入れ、お客様に販売することです。

お客様が必要としている商品を用意し、必要なときに購入できるようにする。それは、金物店として欠かせない役割だと思います。

一方で、これからの冨木金物商店を考えたとき、商品を販売することだけでなく、もっとお客様に頼ってもらえる店になりたいという思いがあります。

商品が必要になったときだけ来店するのではなく、何か分からないことや困ったことがあったときにも、気軽に相談してもらえる。

そんな金物店を目指したいと考えています。

金物店の仕事は、商品を売ることだけなのか

大工さんや職人さんは、普段から道具や資材を使って仕事をしています。

そのため、必要な商品をある程度決めてから来店されることも多く、商品選びそのものに困っているケースばかりではありません。

お客様自身が商品についてよく知っていて、購入したいものが明確になっているのであれば、それを間違いなく用意することも、金物店の大切な仕事です。

ただ、実際にお客様と接していると、商品名だけではなく、用途に合ったビスについて尋ねられたり、必要な商品を探したりすることもあります。

こうした場面では、ただ商品を販売するだけでなく、お客様が何を必要としているのかを理解し、一緒に考えることが必要になります。

もちろん、すべての場面で特別な提案が必要なわけではありません。

お客様が求めているものを、そのまま正確に用意することが一番よい場合もあります。

大切なのは、商品を売ることだけを考えるのではなく、その先にいるお客様のことも考えることではないかと思っています。

お客様が気軽に相談できる金物店になりたい

私が目指したいのは、友達と会話するような感覚で、気軽に何でも聞いてもらえる金物店です。

分からないことがあれば聞いてみる。

必要なものを探しているときには相談してみる。

何か困ったことがあれば、とりあえず冨木金物商店に尋ねてみる。

そんなふうに、特別に身構えることなく頼ってもらえる存在になりたいと考えています。

もちろん、友達と同じような関係というのは、単に仲良く話せればよいという意味ではありません。

気軽に話せる関係でありながら、仕事に必要な知識や対応力があり、安心して相談してもらえることが大切だと思います。

商品について聞かれたときに、分からないことを曖昧に答えない。必要に応じて調べる。お客様の用途を理解したうえで、できるだけ適切な商品を用意する。

そうした一つひとつの対応が、信頼につながっていくのではないでしょうか。

何でも引き受ければいい、というわけでもない

ただし、気軽に相談してもらえる金物店を目指すうえで、難しいと感じていることもあります。

それは、お客様からの相談や依頼に、どこまで対応するべきなのかということです。

お客様の役に立ちたいと思えば、できるだけ多くのことに対応したくなります。

しかし、何でも引き受けてしまえば、自分の仕事にかかる時間が増え、本来やるべき業務が進まなくなる可能性もあります。

お客様にとって便利な店であることと、自分たちが無理なく仕事を続けられること。その両方を考えなければ、長く続けられる商売にはなりません。

だからといって、相談を受ける範囲を狭めればよいとも思っていません。

どこまで対応するのか。どうすれば効率よく対応できるのか。自分たちができることと、難しいことをどう整理するのか。

その塩梅は、これからも考え続けていく必要があると思っています。

お客様にとって頼りになる存在でありながら、店としても安定して仕事を続けられる。

その両立を目指していきたいです。

「冨木金物商店に聞けば間違いない」と思ってもらうために

相談される金物店になるためには、気軽に話せる雰囲気をつくるだけでは十分ではありません。

相談してもらったときに、きちんと応えられる力が必要です。

そのために、商品知識をさらに深めていきたいと考えています。

また、取り扱っている商品や自社のサービスについて、今よりも分かりやすく発信していくことも必要です。

店頭に来ていただいたお客様だけでなく、インターネットで情報を探している方にも、冨木金物商店がどんな商品を扱い、どんなことができるのかを知ってもらいたいと思っています。

さらに、商品を販売して終わりにするのではなく、購入後の対応やアフターサービスについても強化していきたいです。

新しいお客様との接点を増やすことも、これからの課題です。

正直なところ、今の自分が十分にできていると思えることばかりではありません。強化していかなければならない部分は、まだまだたくさんあります。

だからこそ、日々の商売を続けながら、少しずつ改善していきたいと考えています。

目指しているのは、お客様に何でも売り込む店ではありません。

お客様が必要としているものを理解し、分からないことがあれば一緒に考え、必要なときに頼ってもらえる店です。

そして、最終的には「何かあったら冨木金物商店に行ってみよう」「とりあえず冨木金物商店に聞けば間違いないだろう」と思ってもらえるようになりたいです。

商品を販売することは、これからも金物店の基本です。

その基本を大切にしながら、商品を売るだけで終わらない価値をつくっていく。

それが、これからの冨木金物商店を考えるうえで、私が目指していきたい方向の一つです。

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