なぜ、冨木金物商店を変えたいと思ったのか

冨木金物商店の店舗外観 経営・会社づくり

私は、1903年創業の冨木金物商店を運営しています。

建築道具や建築資材、家庭金物、土木資材などを取り扱い、地域の工務店や建築関係の事業者、一般のお客様に商品を販売しています。

そんな冨木金物商店を、私は今、大きく変えていきたいと考えています。

その理由は、これまでの仕事のやり方を続けるだけでは、将来にわたって安定して事業を続けていくことが難しいと感じているからです。

もちろん、ただ新しいことを始めたいわけではありません。

冨木金物商店を信頼し、頼ってくださるお客様の期待に、これからも応え続けたい。

そのためには、今の仕事のやり方や事業の仕組みを見直す必要があると考えています。

この記事では、私が家業を継ぐ前から感じていた危機感や、日々の仕事を通じて見えてきた課題、そして冨木金物商店を変えたいと思うようになった理由について、率直に書いていきます。

昔の冨木金物商店

私が子どもの頃の冨木金物商店は、近所の工務店さんや一般のお客様が数多く足を運んでくれる店でした。

地域の中にある、昔ながらの金物屋。

必要な道具や資材を買いに来てもらい、分からないことがあれば相談してもらう。

そういう商売を長く続けてきた店です。

私自身も、そうした環境の中で育ってきました。

そして、自分が家業を継ぐことになりました。

ただ、私が跡を継ぐ頃には、店は決して順調とはいえない状態でした。

「このままでは、この店は続かないかもしれない。」

そんな危機感がありました。

だからこそ、私は「自分がこの店を立て直してやろう」と思っていました。

ずっと感じていた「このままでいいのか」という違和感

実は、「このままではいけない」という思いは、最近になって突然出てきたものではありません。

跡を継ぐ前の段階から、すでに感じていました。

ただ、そこから年月を重ね、自分自身も仕事や経営について考えるようになり、近年になって、その思いがより強くなってきました。

実際に仕事をしていると、いろいろな場面で「もっと違うやり方があるのではないか」と感じることがあります。

紙を中心とした書類作成。

手書きで行う売上作業。

整理されているとは言いにくい在庫管理。

パソコンやインターネットに関する作業。

そして、それ以外の日々の仕事。

一つひとつを見れば小さなことかもしれません。

しかし、そうしたものが積み重なって、今の仕事の大部分を作っています。

そして、そのほとんどを自分自身で対応しています。

「この仕事は自分がいないとできない」

「この作業も自分がやらなければいけない」

気がつけば、ほぼすべての仕事が自分に集中しています。

もちろん、自分でやること自体が悪いわけではありません。

しかし、この状態をこの先も続けていくことが、本当に良いことなのか。

そう考えるようになりました。

「このまま」を続けた先にあるもの

一番考えるようになったのは、

「もし、このまま何も変えなかったら、数年後はどうなっているのだろう」

ということです。

今と同じ仕事のやり方を続ける。

今と同じように自分一人に仕事が集中する。

今と同じように地域のお客様を中心に商売をする。

もちろん、それでもしばらくは続けられるかもしれません。

でも、その先はどうでしょうか。

「残り数年で廃業することになるかもしれない」

そう考えると、正直ぞっとします。

だからこそ、「いつか変えればいい」ではなく、

「今から変えていかなければいけない」

と思うようになりました。

お客様の買い方も変わっている

もう一つ、大きく変わったと感じるのが、お客様の買い物の仕方です。

今では、何か商品が必要になったとき、まずインターネットで調べることが当たり前になりました。

商品を比較する。

口コミを見る。

価格を調べる。

そのままネットで購入する。

昔と比べれば、商品を購入する方法は大きく変わっています。

もちろん、地域の金物屋として、お客様に直接来店していただくことには大きな価値があります。

実際に商品を見てもらい、分からないことを聞いてもらい、相談しながら選んでもらう。

こうしたことは、これからも大切にしていきたいと思っています。

ただ、地域だけを商圏として考えると、どうしてもお客様の数には限界があります。

地域の中で信頼していただくことは大切。

その一方で、これから事業を続けていくためには、インターネットを活用して、地域の外にも目を向けていく必要がある。

そう考えるようになりました。

だから、ECにも挑戦しています。

変えたいのは「金物屋」そのものではない

ここまで書くと、

「昔ながらの金物屋をやめて、新しい会社にしたいのか」

と思われるかもしれません。

でも、私が変えたいのは、金物屋そのものではありません。

変えたいのは、仕事のやり方です。

紙中心の仕事を変える。

手作業ばかりの仕事を変える。

一人に仕事が集中する状態を変える。

在庫管理を変える。

販売方法を変える。

情報の届け方を変える。

そして、地域のお客様だけではなく、全国のお客様にも商品や情報を届けられるようにする。

今までのやり方を、そのまま続けるのではなく、これからの時代に合った形へ変えていきたいと思っています。

それでも、変えたくないものがある

一方で、どれだけ仕事のやり方を変えても、変えたくないものがあります。

それは、

「冨木金物商店を信頼して、頼ってくださるお客様の期待に応えること」

です。

ネットやECが当たり前になり、商品を買う場所がどんどん便利になったとしても、人と人とのつながりがなくなるわけではないと思っています。

むしろ、ネットで何でも買える時代だからこそ、

「この人に聞けば分かる」

「この店なら安心できる」

「困ったときは相談してみよう」

と思ってもらえることには、これまで以上に価値があるのではないかと思います。

冨木金物商店が、そういう存在であり続けること。

そこは、これからも大切にしたいと思っています。

守るために、変える

1903年から続いてきた冨木金物商店。

これだけ長く事業を続けてこられたことには、これまで支えてくださったお客様や、家族、地域の方々との関係があったからだと思っています。

だからこそ、ただ「昔から続いている店だから、このまま残したい」ということではありません。

この先も事業を続けていくためには、変えなければいけないことがたくさんあります。

私自身も変わらなければいけません。

今までのやり方にとらわれず、新しいことを学び、試して、必要であれば失敗して、またやり直す。

そうやって少しずつでも、冨木金物商店の形を変えていきたいと思っています。

「守るために、変える」。

今の自分の考えを一言で表すなら、これが一番近いのかもしれません。

これからの冨木金物商店へ

私が目指しているのは、ものすごく大きな会社にすることだけではありません。

もちろん、今よりも売上を安定させ、事業としてしっかりした基盤を作っていきたいと思っています。

でも、それ以上に大切なのは、この先も冨木金物商店という事業が続いていること。

そして、

「冨木金物商店に相談してよかった」

「冨木金物商店なら頼れる」

そう思ってもらえることだと思っています。

そのために、ECにも挑戦する。

ブログで情報を発信する。

仕事の仕組みを変える。

今までやってこなかったことにも挑戦する。

まだ始めたばかりのことも多く、すべてがうまくいくとは思っていません。

それでも、「このままではいけない」と思いながら何もしないのではなく、少しずつでも前に進んでいきたい。

それが、私が冨木金物商店を変えたいと思った理由です。

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